システム開発で使える英語を紹介!各工程でよく使用する単語やフレーズ

システム開発で使える英語を紹介!各工程でよく使用する単語やフレーズ

2021年12月09日 12時36分

システム開発では、プログラム構築やドキュメント作成において、英語に触れるシーンが多くあります。また、オフショア開発が浸透し始めており、コスト削減を狙って海外企業や海外の現地法人に委託することもあるでしょう。そのため、海外のエンジニアとやり取りをする機会も増加しており、英語はシステム開発において欠かせないコミュニケーションツールとなっています。
今回は、システム開発でよく使用する英語を紹介します。
英語習得を目指すエンジニアはもちろん、これからシステム開発に携わろうと思っている方にも参考にしていただける内容です。


・エンジニアに必要な英語力と勉強方法
・製造業に必要な英語力と頻出語の紹介
・ビジネスのための英会話力

システム開発の現場で英語は使用する?

IT化が進んでいる近年において、システム開発は世界共通のスキルとして注目されています。特にプログラミング言語は、世界共通語である英語を使用しているため、日本のシステム開発においても英語力は欠かせないといえるでしょう。システム開発のどのようなシーンで英語が活用されているかについて紹介します。

オフショア開発における英語

システム開発の経費削減を目的として、アジア諸国を中心に日本国外へ委託するオフショア開発は、1980年代ごろから盛んになりました。当時は、中国でのオフショア開発がメインでしたが、現在はミャンマーやフィリピンなどの国が注目されています。

特に、オフショア開発で検討されることの多いフィリピンは、公用語の1つが英語です。学校の授業も英語で行われるほど浸透しており、英語が堪能な方も多く見られます。また、フィリピンは日本向けのオフショア開発のみならず、欧米やオーストラリア向けのオフショア開発も盛んです。経験値の高いIT人材が豊富なので、委託先として見逃せない国だといえます。

一方で、海外のエンジニアは、当然日本語が話せない方がほとんどです。そのため、円滑なコミュニケーションを図り、作業を滞りなく進めていくためには、世界共通語としての英語力は必須でしょう。

外国人採用による英語

日本には、世界トップクラスのミッションを抱える企業が多数ありながら、ITエンジニアが不足しているといわれています。人材不足は年々深刻になっており、有能なエンジニア採用に際して頭を悩ませている企業も少なくありません。

こうした問題を解決するために、外国人エンジニアの採用に動き出す企業が増えてきています。外国人エンジニアを採用することで、海外進出のチャンスが掴める点や、アジア諸国のハングリー精神のあるエンジニアを採用できる点などは、日本の企業にとってメリットといえるでしょう。

外国人エンジニアの採用条件として、高い日本語力を問わず、日常会話レベルであれば問題ないとしている企業も増加しているのが現状です。例えば、外国人エンジニアが参加するチームでは、会議はもちろん、指示を出す際にも英語を使用します。そのため、外国人エンジニアを受け入れる体制として、英語は欠かせないものとなっています。

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システム開発の工程とは?

システム開発の工程には案件定義や設計、運用テストなどがあり、工程によって必要となる英語が異なります。開発工程の代表的なモデルとして、以下の2つが挙げられます。

  • ウォーターフォールモデル
  • アジャイルモデル

ウォーターフォールモデル

「ウォーターフォール」という言葉は、上から下へ流れる水を意味します。システム開発におけるウォーターフォールモデルは、工程を順番に進めていくことです。非常にシンプルなので、外国人を交えたチームでも使いやすく、多くの企業で利用されています。

大きな特徴として挙げられるのが、一方通行である点です。工程の後戻りをすることはありません。前の工程を完全に終わらせてから次に進む必要があり、初めの計画が重視されるということです。

そのため、チーム内における意思の疎通が欠かせません。どこかでニュアンス違いが発生してしまえば、工程にずれが出てきます。特に、外国人エンジニアがチームに在籍している場合、言語の問題があるため、より注意が必要です。

また、チーム内での進捗状況が把握しやすく、スケジュール管理が肝となるプロジェクトで重宝されるという側面があります。一方で、1つずつの工程を終わらせる必要があるため、どうしても時間がかかってしまうという点がデメリットです。スピード感を求められる事業には向いていないといえるでしょう。

アジャイルモデル

スピード感を持って開発する方法をアジャイルモデルといいます。「アジャイル」には素早いという意味があり、ウォーターフォールモデルとは大きく異なる方法といえるでしょう。

アジャイルモデルは、全体の大まかな使用を決めることから始まります。続いて、一連の工程を短いスパンで繰り返す「イテレーション」というサイクルを取り入れて、進めていくのが特徴です。

イテレーションのスパンは、通常1週間から1ヶ月程度で、サイクル毎に新たな機能をリリースします。続けざまに機能を追加していくため、ソフトウェアやアプリ開発などに向いている方法です。そのほか、新規に事業を立ち上げる際も、流れや結果がイメージしづらいため、アジャイルモデルが適しています。

一方で、アジャイルモデルには、臨機応変さが求められます。そのため、チームワークが重要です。また、外国人エンジニアとともにアジャイル開発を進めていくためには、それなりの英語力が必要になります。


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システム開発の上流工程でよく使用する英語

システム開発は、さまざまな工程を経てリリースに向かいます。特に、要件定義から計画立案までの工程は、システム開発を円滑に進めるうえで重要です。こうしたシステム開発の初期段階に行う工程を上流工程といいます。ここでは、上流工程で主に使う英語について解説します。

上流工程とは?

上流工程に含まれるメインの工程は、以下の4つです。

  • 要件定義
  • 機能定義
  • 構成管理
  • 計画立案

要件定義では、クライアントが要求するシステムの内容をまとめていきます。ここでまとめた要件を、具体的な機能として定義するのが機能定義です。定義通りの機能を実現させるためのシステム構成や構造の管理を行い、計画立案において、プロジェクトのスケジュールを計画していきます。

一般的に、こうした設計段階までを上流工程と表します。上流工程で決めた内容を下流工程へと引き継ぐため、プロジェクトの品質や方向性を定めるうえで大変重要だといえるのです。

上流工程に必要なスキル

クライアントの要望を抜かりなくまとめ、チームに落とし込む上流工程では、コミュニケーションスキルが欠かせません。クライアントとのコミュニケーションはもちろん、チーム内での密なやり取りが、上流工程の精度を上げるといえるでしょう。

また、マネジメントスキルも大切なスキルです。上流工程を担うエンジニアは、下流工程を担当するエンジニアに対して指示を出す必要があります。加えて、全体的な流れを把握して、納期調整や修正を速やかに行わなければなりません。

特に、外国人エンジニアとやり取りをする場面では、少しでもお互いの認識にずれがあると、下流工程に影響する可能性があります。しっかりとコミュニケーションを取れるようにするためにも、上流工程でよく使用する英単語の意味やフレーズについて理解しておくことが大切です。

上流工程に欠かせない英単語

英単語 和訳
requirement definition 要件定義
scalability 拡張性
leverage 活用する
reliability 信頼性
design 設計する
proprietary 独自仕様の
estimate 見積もり
budget 予算を立てる
operational flow 業務フロー
hearing ヒアリング・インタビュー
questionnaire アンケート

上流工程でよく耳にするフレーズ

英語のフレーズ 和訳
eliminate unnecessary cost / cut the cost コスト削減
changes in specifications 仕様変更
increase man-hours 工数がかかる
extend delivery date / pass the due date 納期が遅れる
postpone the phase 延期する
move up the schedule / do ahead of schedule 前倒しする
affect man-hours 工数に影響が出る
systemize the manual task 手作業をシステム化する
replace legacy system with cloud-based service 既存システムをクラウド化する

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システム開発の下流工程でよく使用する英語

上流工程から引き継いだ計画を、実現していくのが下流工程です。下流工程の流れを理解すると、いかに上流工程が重要であるかが見えてくるでしょう。以下では、下流工程についての内容と下流工程で必要になる英単語やフレーズを紹介します。

下流工程とは?

下流工程では、上流工程で決定した定義を、プログラミング言語を駆使して開発していきます。下流工程の主な工程は、以下の3つです。

  • 実装(コーディング)
  • テスト
  • 導入

コーディングでは、上流工程で定義された内容通りに開発を行います。続いて、クライアントの要望通りに動くかどうか、レスポンスに問題はないかなどを確認するのがテストです。テスト段階で問題がなければ、実際に使う環境でも滞りなく動作するかを確認する導入を行います。

例えば、上流工程においてクライアントとの間にずれがあったと仮定します。それに気がつかない状態で下流工程へ進んでしまうと、完成したシステムがクライアントの要望と異なるものになってしまう事態を招いてしまいます。このような事態を防止するためにも、上流工程でミスをしないことが大切だといえるのです。

下流工程に必要なスキル

上流工程で完ぺきに定義したとしても、下流工程を担当するエンジニアの理解力が低ければ、意味がないといえるでしょう。プログラムを作成するためには、特定の問題をスムーズに解決する必要があります。そのためには、問題の本質を把握したうえで、解決方法を導き出し判断する論理的な思考が重要です。

下流工程では、上流工程でまとめられた内容を確実に表現することが必要になってきます。上流工程に外国人エンジニアがいる場合、英語力がなければ、お互いに内容を理解し業務を進めていくことが難しいでしょう。また、下流工程内でも外国人エンジニアとやり取りする際は、英語力は欠かせません。

日本人同士はもちろん、外国人とも正確なコミュニケーションが取れるように、英語力を高めておくことが大切です。

下流工程に欠かせない英単語

英単語 和訳
development environment 開発環境
staging environment 検証環境
initial setting 初期設定
test environment テスト環境
production environment 本番環境
issues/problems 課題
deliverable 成果物
productivity 生産性
sprint スプリント
scrum スクラム

下流工程でよく耳にするフレーズ

英語のフレーズ 和訳
apply patch パッチを当てる
back up by operation 運用でカバーする
job allocation or task allocation 作業分担
progress report 進捗報告
lean software development リーンソフトウェア開発

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外国人エンジニアとやり取りする際に活用できる英語のフレーズ

職場に外国人エンジニアがいる場合や、海外委託先のエンジニアとやり取りする際に、英語はハードルの1つといえるでしょう。一方で、エンジニア同士の会話では、決まったフレーズを使うことが多いため、特定のフレーズをいくつか覚えておくと役立ちます。以下では特に、よく使われるフレーズを紹介します。

英語のフレーズ 和訳
The deadline is ○○. 納期は〇〇です。
the date and time of the meeting 会議の日時
the attendees for the meeting 会議の参加者
You’re in charge of ○○. あなたの担当は〇〇分野です。
If you have any questions, please contact ○○. ご不明点がある場合は、〇〇さんに確認してください。
Please inform us about the current progress. 現在の進捗状況を教えてください。
Please explain why the project is running late. 進捗が遅れている理由を説明してください。
I will check right away. すぐ確認します。
Defining requirements takes time. 仕様がなかなか決まらない。
Do we need to reschedule it? リスケジュールする必要がありますか?
Please implement this function. この機能の実装をお願いします。
Please make sure that it works in the development environment. 本番環境でも正確に動くことをしっかりとチェックしてください。
Can you modify this function? この機能の修正してもらえませんか?
Can you fix this bug? この不具合を修正してもらえませんか?

システム開発の現場でも、グローバル化が進んでいます。オフショア開発に加えて、外国人エンジニアを採用するケースも多く、英語力は欠かせないものになりつつあるのが現状です。

また、システム開発ではチームワークが大切です。クライアントとのやり取りだけではなく、チーム内における意思疎通がスムーズに行われていなければ、成果物にも影響してしまう可能性があります。

日本人同士であれば問題なくコミュニケーションは図れるかもしれませんが、クライアントやチーム内に日本語を十分に理解できない外国人がいる場合は、英語が必要不可欠です。仕事をスムーズに進め、かつ質の良い成果物を完成させるためにも、これからエンジニアを目指す人、もしくは現在エンジニアの方は、英語力を身につけておきましょう。


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