【話してみよう Japaneseライフ】家元 Iemoto
2018年10月05日 12時57分
茶道、華道、香道のほか、舞踊や狂言に至るまで、日本には古来、伝わる文化が数多くあり、これらの芸道にはそれぞれ「家元」が存在する。この「家元」のように、日本文化に根ざした言語表現は少なくない。日本特有の言葉を英語ではどう伝えたらよいだろう。
全国各地でTea ceremony(茶道)を体験できるイベントが開かれると、外国人観光客が参加する姿を見ることがある。
茶道では、家元のことをGrand tea masterと表現する対訳がある。しかし、この言い方だと、華道や舞踊などほかの芸道の家元のことまで表現できるわけではない。
そこで今回は、この日本語特有の表現を”Iemoto”とそのまま表現し、言葉の意味を説明してみることを提案したい。
広辞苑は家元について、「芸道で、その流祖の正統を伝える地位にある家・人。宗家(そうけ)」と説明している。
言い換えれば、日本の伝統文化の作法や歴史を継承し伝える家や人たちが家元、ということである。
例えば次のような言い方はどうだろう。
Iemoto means the families and indivisuals who inherit the manners and conventions of Japan’s traditional culture from its masters.
日本独自の言葉こそ、あえて英訳せずにそのまま表現し、意味を説明する。訪日外国人客に、日本での滞在や体験をさらに楽しんでもらえるかもしれない。