日本人講師のワンポイント【丁寧なニュアンスを含むwould】

日本人講師のワンポイント【丁寧なニュアンスを含むwould】

2021年04月15日 10時00分

日本人講師のワンポイントレッスンでは、外国人講師にはなかなか聞くことが難しい英文法や英語学習の質問について解説していきます。
解説を担当するのは産経オンライン英会話Plusでレッスンを提供中の日本人講師です!

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本日の質問

Business Conversation (Business) A2 Lesson30で、電話で予約の確認を取る時に、

Would that be OK?「大丈夫でしょうか?」と聞いていますが?ここでIs that OK?やWill it be OK?ではなくWouldを使っているのはなぜでしょうか?

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解説

wouldcouldは、ネイティブスピーカーはちょっとした気分や意図の違いでごく自然に使い分けているのですが、日本人にはなかなかわかりにくいことも多い表現です。

よく知られているwouldの意味・ニュアンスとしては、「willよりもていねい」ということだと思いますが、
wouldを使うそもそもの意味・意図が分かっていると、なぜそれが「ていねい」と受け取られるのかがわかります。

まず、wouldを使う時は、だいたい仮定法のifの条件が隠れていると思ってください。誰かが手伝いなどを申し出てくれた時の定番の返事に、That would be great.「助かります」「ありがたいです」という答え方があります。ここでなぜwouldを使うかというと、この文は実はThat would be great if you could do it.という仮定法を使って「もしそうしてもらえるのなら助かります」と、相手の行為を当たり前のものとしてではなく、「もしそんなことをしてくれるなら」という、日本語の「有り難い(なかなか無いこと)」=感謝の「ありがたい」と同じようなニュアンスで感謝している気持ちを表しているからです。

if you could ~「もしそうしていただけるのであれば」の部分は、That would be great.とwouldを使うことでその気持ちが言葉の裏に隠れていることが明らかなので、省略しても伝わります。

今回のテキストの中では、予約の確認をするのにWould that be OK?「それでよろしいでしょうか?」とwouldを使っています。このセンテンスの前に、予約を取る側がI’m going to come to your office at 10am.「オフィスに午前10時に行きます」と予定を話しているので、この文と組み合わせてWould that be OK if I came to your office at 10am?と、「もし10時に行ったとしても大丈夫だったでしょうか?」というセンテンスで確認を取ることもできます。しかしこの例では、先にI’m going to ~と自分の予定を話したので、これがifにあたる「もしオフィスに10時に行ったとしても」という、相手の都合を尊重する謙虚な気持ちである、ということが伝わるように、後からWould that be OK?とwouldを使ったよりていねいな確認フレーズを付け足しているのです。

本日の講師

Tomoko 先生

こんにちは!ともこです。カナダのバンクーバーに10年以上住んでいたことがある英語教師&医療通訳者で、旅行通訳やビジネス通訳などもおこなっています。実際の生活の中で話す「生きた英語」を身に着けていただけるよう、情熱を持ってお教えしています。
自らもまったくゼロの状態から英語を学んだ経験から、英語の習得がどれだけ大変か、しかし一方でどれほど楽しいかも、よくわかっています。英語学習のゴールにたどり着くお手伝いをぜひさせてください!
お会いできるのを楽しみにしています。