日本人講師のワンポイント【話の流れに応じて意訳しましょう】
2021年11月04日 10時00分
日本人講師のワンポイントレッスンでは、外国人講師にはなかなか聞くことが難しい英文法や英語学習の質問について解説していきます。
解説を担当するのは産経オンライン英会話Plusでレッスンを提供中の日本人講師です!
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本日の質問
ビジネス英会話(English Business Conversation) A2 Lesson3
ジョンとユウタの会話で、ジョンのI can’t get up early to study Japanese.という文の日本語訳が「私は日本語を勉強するためにそんなに早く起きられないですよ」となっていますが、どうして「そんなに」というニュアンスが含まれていることがわかるのですか?
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解説
英語を日本語に訳する時、言葉一つひとつを忠実に直訳するのではなく、状況・話の流れ・感情などに応じて“意訳”することがほとんどです。
ジョンの発言、I can’t get up early to study Japanese.には「そんなに」にあたる英単語は含まれていないので、この一文だけを見て訳すると「私は日本語を勉強するために早く起きられません」となります。しかし会話全体を見てみると、話し相手であるユウタの、I study English every morning before work.「私は毎朝仕事前に英語を勉強します」という言葉を受けてのジョンの発言であり、ジョンはユウタと自分を比べて「彼のように仕事前に勉強する時間を取れるほど早起きできない」と伝えたいわけです。to study Japanese「日本語を勉強するという目的で」という言葉が入っていることでその気持ちを汲み取ることができるので、意訳する場合には「そんなに」と付け加えるのがしっくりきます。
日本語には、「わざわざ」「どうしても」「おかげさまで」のように、付け加えるだけで微妙な違いや強調したいことが伝わる言葉がありますが、英語にはこれらにあたる言葉がない場合が多く、その時はアクセントの強弱や言葉・構文のチョイス、情報の追加などによって、ニュアンスを変える必要があります。会話文では、全部の流れと言葉のやりとり、発話者の状況や感情を考えた上で、微妙なニュアンスを汲み取るようにしてみましょう。
ただ今回の場合、earlyの前にso「それほど」やthat「そこまでは」を入れて「そんなに」という意味を明確にすることもできます。soは一般的な時間の速さを「そんな早くは」と言っている意味になり、thatだと「そこまで早くは」と前に出てきている程度を引き合いに出して比較するようなニュアンスになります。
本日の講師
Tomoko先生
こんにちは!ともこです。カナダのバンクーバーに10年以上住んでいたことがある英語教師&医療通訳者で、旅行通訳やビジネス通訳などもおこなっています。実際の生活の中で話す「生きた英語」を身に着けていただけるよう、情熱を持ってお教えしています。
自らもまったくゼロの状態から英語を学んだ経験から、英語の習得がどれだけ大変か、しかし一方でどれほど楽しいかも、よくわかっています。英語学習のゴールにたどり着くお手伝いをぜひさせてください!
お会いできるのを楽しみにしています。