日本人講師のワンポイント【時制の一致を適用しない時とは?】

日本人講師のワンポイント【時制の一致を適用しない時とは?】

2023年02月02日 10時00分

日本人講師のワンポイントレッスンでは、外国人講師にはなかなか聞くことが難しい英文法や英語学習の質問について解説していきます。
解説を担当するのは産経オンライン英会話Plusでレッスンを提供中の日本人講師です!

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本日の質問

ビジネス英会話English Business Conversation  A1  Lesson11
I heard Ms. Yoshida is good at using it.「吉田さんが(それを)得意だと聞きましたよ」
というフレーズがあります。英語は時制の一致が大事、と教わったのですが、heardという過去形と揃えてMs. Yoshida was good at…としなくていいのでしょうか?

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解説

「時制の一致」とは、文の中に複数の節(主語+述語のかたまり)がある場合に、主節(その文のメイン)と従属節(主節の述語の部分のディテール)の時間の軸が同じであることです。
I saw she was crying. は「彼女が泣いているのを見た」と訳しますね。しかし実際は、「彼女が泣いている」光景は、今話している時点から見れば「見た」のと同じ時間軸の過去の出来事で「泣いていた」なので、従属節もshe was cryingと時制を過去にそろえなくてはいけません。
ただし、このルールに縛られないケースもたくさんあります。今回の例の
I heard Ms. Yoshida is good at using it.
は、従属節のMs.Yoshida is good at using it.が、過去の一時点に起こったことではなく、「得意である」というおそらく現在も未来も変わらない事実です。従属節で変わらない“状態・習性・特徴・職業”などを述べる場合は、時制を一致させてもさせなくてもかまいません(I heard Ms.Yoshida was …でもOK)。また、真理や社会通念・ことわざ、歴史上の事実などは、時制の一致が適用されない例です。
主節が過去形の時、従属節が「現時点で終わっていること」か「今も続いていることか」によって、時制を一致させて過去形にするか現在形にするか、使い分けることができます。

He said he is going to the party.→ パーティは未来に起こる予定
He said he was going to the party.→ パーティは話している時点では終わっている可能性

I thought she is nice. → 彼女は今も良い人であり、また、未来も会う機会がある
I thought she was nice. → 良い人だと思っていた彼女は実は違った。または、その時あったきりで今後会うことはないかもしれない

これらの文を、意識をisの場合は現在/未来に、wasの場合は過去に、それぞれ置き換えながら読んでみて、ニュアンスの違いを感じるようにしてみましょう。

本日の講師

Tomoko先生

こんにちは!ともこです。カナダのバンクーバーに10年以上住んでいたことがある英語教師&医療通訳者で、旅行通訳やビジネス通訳などもおこなっています。実際の生活の中で話す「生きた英語」を身に着けていただけるよう、情熱を持ってお教えしています。
自らもまったくゼロの状態から英語を学んだ経験から、英語の習得がどれだけ大変か、しかし一方でどれほど楽しいかも、よくわかっています。英語学習のゴールにたどり着くお手伝いをぜひさせてください!
お会いできるのを楽しみにしています。