日本人講師のワンポイント【We enjoyed…ではなくWe did get toという表現にするのはなぜ?】

日本人講師のワンポイント【We enjoyed…ではなくWe did get toという表現にするのはなぜ?】

2023年03月16日 10時00分

日本人講師のワンポイントレッスンでは、外国人講師にはなかなか聞くことが難しい英文法や英語学習の質問について解説していきます。
解説を担当するのは産経オンライン英会話Plusでレッスンを提供中の日本人講師です!

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本日の質問

ビジネス英会話 English Business Conversation   B1 Lesson15
3. DIALOGUE 内
We did get to enjoy a little gambling.「ちょっとしたギャンブルを楽しんだよ」という表現があります。We enjoyed…ではなくWe did get toという表現にしているのはどういうニュアンスなのでしょうか?

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解説

この文には、2つのネイティブ・スピーカーがよく使う話法が含まれています。
一つは、過去形のgotdid getという形に変える表現、もう一つはget toという表現で、「~する機会を得る」「~することを許される」という意味で使われます。

get、enjoyのような一般動詞は、否定形ではdo not/don’tまたはdoes not/doesn’t、過去形ではdid not/didn’tの後に原形を置きますね。このルールを肯定形の場合でもあえて使ってdo、does、didの後に動詞の原形を置きdo enjoydid getのようにすることで、動詞を強調する効果があります。この場合の強調とはその度合いが強いという意味ではなく、did not getではなくdid getである、つまり「した」という事実を強調するということです。
例)I do like music. 「もちろん音楽は好きだよ。」※音楽が大好き、という意味ではない
  I did tell her!  「彼女には間違いなく言ったよ!」

次にget toという熟語ですが、「機会を得る」「許可される」「到達する」「始める」「人をイライラさせる」のように様々な意味があり、今回の例ではcanに近い意味での「機会を得る」というニュアンスで使われています。日本語に訳するとcanもget toも「~できる」となるのですが、canには「能力的にできる」という意味もあるのに対し、get toは時間的あるいは状況的に何かをするチャンスを得る、という限定的な「できる」と言えます。
ちなみcanの過去形のcouldはこの例では使いません。I could enjoy…とすると、過去に「できた」というよりも、現在の可能性として「楽しむこともできる・あり得る」と聞こえてしまいます。couldを「(過去に)できた」という意味で使うのは、swim、walk、のような人が持つ身体的な能力について話す場合にほぼ限られるので注意しましょう。

本日の講師

Tomoko先生

こんにちは!ともこです。カナダのバンクーバーに10年以上住んでいたことがある英語教師&医療通訳者で、旅行通訳やビジネス通訳などもおこなっています。実際の生活の中で話す「生きた英語」を身に着けていただけるよう、情熱を持ってお教えしています。
自らもまったくゼロの状態から英語を学んだ経験から、英語の習得がどれだけ大変か、しかし一方でどれほど楽しいかも、よくわかっています。英語学習のゴールにたどり着くお手伝いをぜひさせてください!
お会いできるのを楽しみにしています。