TEAP?のリーディングの問題形式とは?
2021年05月14日 3時02分
英語4技能の「リーディング」「リスニング」「ライティング」「スピーキング」を評価する英語試験のTEAPは、総合的に英語力が測れることで知られています。問題内容は英語圏での大学留学を含む大学の講義や研究などの教育現場で使われるアカデミックな英語を中心に出題され、日本の大学入試でTEAPを採用する大学が増えています。今回はTEAPのリーディングについて問題形式や内容、対策についてご説明します。
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TEAP®リーディングの問題形式と内容
TEAPリーディングはマークシートによる択一選択方式の筆記試験です。問題数は全60問、スコアは100点満点、試験時間は70分で、問題の指示文はすべて英語で出題されます。以下が、TEAPリーディングの問題形式と内容です。
大問 | 問題形式 | ねらい |
---|---|---|
Part 1 (20問) |
語彙・語法 | 大学での授業や資料・文献などを理解する上で必要とされるアカデミックな語彙力 |
Part 2A (5問) |
図表の読み取り | 授業や資料・文献などにおける視覚情報の理解とそれに基づく類推 |
Part 2B (5問) |
掲示・Eメールなどの読み取り | 学業に関わる掲示・Eメールなどにおける情報の理解 |
Part 2C (10問) |
短い英文の読み取り | 教材や資料・文献などにおけるパラグラフ単位の英文理解 |
Part 3A (8問) |
長い英文の読み取り | 教材や資料・文献などにおける英文の文脈や論理の流れの理解 |
Part 3B (12問) |
長い英文の読み取り(図表も含む) | 教材や資料・文献などにおける英文の詳細理解(図表も含む) |
※問題に関する冊子内の指示文は全て英語です。
出典:日本英語検定協会「TEAP問題構成・見本問題」
TEAP®リーディングの対策
TEAPのリーディングは、大学における学校生活や授業などアカデミックの場面をこなすための読解力が求められます。アカデミックな場面に特化しているため、英検1級で出題される、英語を母国語とするネイティブでもほとんど使わないような難しい単語の知識を問う問題や、一部の私立大学入試問題で出されるような超難解な問題などは出題されません。基本的にリーディングの問題は高校3年間で学ぶ英語で対応できる範囲です。まずは、高校レベルの単語や表現の語彙と文法を習得することが、根本的に必要な対策と言えます。
とはいえ、高校英語の前に、英語の基礎を学ぶ、中学英語をマスターしていなければ、TEAPリーディングの長文読解をチャレンジするのは難関です。中学レベルの英語力に到達していないと思われる人は、中学英語、すなわち語彙や文法も含めた英語の基礎を学び直すことも大切になります。
それでは、以下に各パートの対策を紹介します。
Part 1
Part 1は単語の穴埋め問題で、4つの候補からひとつ正解を選びます。英検®と比較すると、2級~準1級レベルの語彙が出題され、センター試験より難易度は高くなっています。対策としては、単語帳などで単語や熟語を覚えて、語彙力をつけましょう。Part 1の問題はわからない場合は、いくら考えても正解が見つかりません。時間も限られているのであきらめて、次のグラフや長文読解の問題に時間を使うように時間配分すると良いでしょう。
Part 2A
Part 2Aでは、グラフから得られた情報を基に、グラフを描写している記述や間違った記述を選択する問題が全5問出題されます。英語以前に、グラフを読み取る能力を養う訓練が必要です。解答をする際は、グラフの内容を深く考えるのではなく、選択肢それぞれの記述が、グラフに合っているかそうでないかを見分けるようにします。
Part 2B
Part 2Bでは、メールや連絡事項を読み取り4つの選択肢からひとつ正解を選びます。全5問で専攻の変更方法や授業の選び方など大学生活に関連した内容が出題されます。単語のレベルはPart 1に比べると簡単で、文章は4~5行程度で比較的短いです。このパートでは、単語の意味の理解よりきちんとした読解力が求められます。問題文を読んで、誰が誰にどのような情報を発信しているのかということを理解してから選択肢に取りかかりましょう。
Part 2C
Part 2Cは大学の授業で使われる教科書や資料に載っているようなアカデミックな内容が4~6行程の短い文章で出題されます。文章と合致する答えを4つの選択肢から選ぶ問題で全10問です。専門的で高校では習わない単語も出てきますが、そのような難しい単語は文章中に説明されているか、文章全体がその単語の意味を説明している場合があるので、特に心配する必要はありません。ただ、パラグラフの構成は最初と最後の文にパラグラフの要約が書かれているので、最初と最後の文はしっかり読むように心がけることが大切です。
Part 3A
Part 3Aは長文の穴埋め問題です。選択肢の中から当てはまる接続詞や単語、文章をひとつ選びます。Part 2Cのようなアカデミックな内容の長文ひとつに対して4問出題され、長文は2つ、合計8問。このパートは長文ですが、実は1段落ごとに1つの穴埋めがあるので、段落ごとに質問に答えるようにしましょう。また、穴埋めの前後の文章をしっかりと読むことも正解を導くカギとなります。
Part 3B
Part 3Bは5~7段落からなる長文読解問題です。長文は2つ、各長文につき6問が出題されます。長文読解問題は大体段落ごとに対応しているので、まず1問目の問題文を読んでから、第1段落を読み、答えの根拠を見つけるという手順で次の2問目に取りかかり、同じ手順で進めます。段落を読む際は、段落の要約が書かれている最初と最後を重点的に読むようにしましょう。
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ここまでTEAPのリーディング問題や対策について解説しました。産経オンライン英会話Plusでは、TEAP®・GTEC®・英検®などの主要な英語試験に対応したオプションテキストをご用意しています。大学入試で外部英語試験を活用しようとお考えの方はご利用してみてはいかがでしょうか。
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TEAP®の概要
TEAP(ティープ)とは、Test of English for Academic Purposesの略称で、大学で学習・研究する際に必要とされるアカデミックな場面において、主に下記の英語運用力を正確に測る英語試験です。
- 英語で資料や文献を読むことができる
- 英語で講義を受けることができる
- 英語で意見を述べることができる
- 英語で文章を書くことができる
TEAPは「読む:リーディング」「聞く:リスニング」「書く:ライティング」「話す:スピーキング」の英語4技能を評価し、総合的に英語力を把握できるように構成され、開発は上智大学と公益財団法人 日本英語検定協会の共同で行われています。また、日本人の英語学習者が弱いと言われている「ライティング」と「スピーキング」については、世界的に有名な英国のベッドフォードシャー大学の研究機関であるCRELLA(Centre for Research in English Language Learning and Assessment)の監修のもと、開発されています。
TEAP®の受験方法について
TEAPには、「リーディング」「リスニング」をマークシート方式、「ライティング」を筆記、「スピーキング」を1対1の面接方式の従来の受験方法とは別に、コンピューターを使った受験方法「TEAP CBT(Computer Based Testing)」があります。TEAP CBTでは「リーディング」「リスニング」は択一選択方式、「ライティング」はキーボートを使ってタイピング、「スピーキング」はヘッドセットのマイクを使って録音方式で試験が行われます。
※TEAPとTEAP CBTは異なるテストです。
TEAP®の試験結果通知の特徴
TEAPの試験結果は合否ではなく、「スコア」と「バンド」で通知されます。以下がTEAPの「スコア」と「バンド」の内容です。
項目 | 内容 |
---|---|
スコア | 従来のTEAPは4技能、各技能100点満点・合計400点満点、TEAP CBTは各技能200点満点・合計800点満点で採点されます。単純に配点×正解数でスコアが算出されるのではなく、実施された試験によって全体的な正解率などを考慮し、統計的な手法で計算された点数が割り当てられます。 |
バンド | 世界的に採用されている英語レベルの基準「CEFR」(Common European Framework of Reference for Languages:ヨーロッパ言語共通参照枠)のバンドが示されます。CEFRの6段階(A1、A2、B1、B2、C1、C2)のバンドのうち、TEAPで測定される範囲はA2、B1、B2の3段階です。 |
TEAPの試験結果で示されるCEFRのバンドは目安として、英検に換算すると「A2」で「準2級程度」、「B1」で「2級程度」、「B2」で「準1級程度」となります。
また、TEAPの試験結果通知には、スコアとCEFRのバンドに連動して、目安として試験で判定できた内容「~することができる」といった、「TEAP Can-do statements」が示されます。さらに、「Advice」の欄には、今後の英語学習についてのアドバイスが記載されるため、自身の英語力をアップさせるうえで、役立つようになっています。なお、TEAP CBTの試験結果には、「TEAP Can-do statements」は記載されません。
TEAPに関する詳しい情報は、こちらのコラム「高校生向け英語試験TEAP®の対策方法と勉強のコツ」もあわせてご参照ください。
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